囚われのお姫様
「……!」


正直言うとこの子とあまり関わりたくない。

一緒にいると、胸がありえねぇくらい苦しくなるから。

すっげー違和感……。

でも……。


「いいっすよ!」

「ありがとうございます!!」


何故か俺はOKしてしまった。

連絡先を交換し今度こそその場から離れた。

大悟 side END










「でねー!今日は家庭科室にいたの!!」

「はいはい。今日も王子だったんでしょ?」

「なんでわかったの!!」

「毎日毎日言われてればわかるわよ……」


誠くんを中庭で見かけてからだいたい1週間。

あれ以来よく学校内で会うようになった。

昔会ったことあるかも……の話は聞けないままなんだけどね。

なんか申し訳なくて聞けないんだ。

名前聞いてる時点で失礼極まりないけど。

それに……とってもかっこいいのにどこか自信なさげ。

最初はその容姿とイケメンな言動にキュンキュンしていたが、最近はそんな彼の本性(?)のようなものが見えてきて放っておけないだなんて考えるようになった。

昼休みの食堂。
< 26 / 53 >

この作品をシェア

pagetop