囚われのお姫様
精神系能力者って、人の心の関するものを扱うせいか精神疾患にかかりやすいなんて聞いたことあるから、ちょっとユキも精神的にまいってたのかな?


「突然変なこときいてごめんよー」

「べつに。ところで、さっきの話の続きは?」

「??」

「運命の不審者について」

「不審者じゃないもん!」


まだ恋バナしててもいいってことかな?!

ユキのそう思わせる言葉に甘え、誠くんとあったいろんなことをユキに話す。

終始興味なさげに聞いているが、私が何話したかとかユキってばちゃんと覚えてるんだよね。すごい。

そんなユキの優しさに嬉しくなってると。

───ウオオオオオオ!!

突然、学校中に鳴り響く火災報知器。

目の前のユキの表情が一気に険しくなる。


「また、炎系能力者がなんかやらかしたのかな」

「……多分ね」


うちでこのように火災報知器がなることはそこまで珍しいことでもない。

炎を使う能力者の生徒が間違えて壁とかに火をつけちゃったり床に落としたり、喧嘩でついカッとなって能力つかっちゃったりしてよく火災報知器がなるのだ。

だというのに、ユキの表情はずっと険しいまま。
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