囚われのお姫様
「……!」


大悟のまるで喧嘩を売るような余裕そうな態度に誠くんはカチンときたのか、私大悟の間に入り私たちをひきはがした。

といってもくっついてなんてなかったが。


「美波ちゃん」

「……!」

「ダメじゃん、婚約者がいるのに、他の男と2人でなんていたら」


いつものしっとりとした話し方。

でもやはり怒りは収まってないようでどこか怒っているよう。


「婚約者ぁ……? 俺っちのみなっちゃんに馴れ馴れしく触んないでくれる?」

「……あ?」

「前からずっと思ってたんだけどよ、何者か知らねーけど不審者の分際でみなっちゃんに近づかないでくれる〜?」

「……綾羅木 大悟、か」

「……! なんで俺の名前……」

「ボクや美波ちゃんのことよりさ、もっと向き合わなきゃ行けないものあるんじゃない?」


誠くんは私たちの後ろの方を指さし大悟に視線を送る。

後ろを見てみると、そこにはさっきまで外にいた舞姫さんがいた。

どういうこと、とまた誠くんの方を見ようとしたらそこにはもう彼はいなかった。


「……??」


大悟も、舞姫さんの方を見て2人は見つめ会い始めた。
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