囚われのお姫様
第3話
「──報告は以上です」
「うむ、ご苦労。下がっていいぞ」
ここは生徒会室。
例の不審者の件を、生徒会長である銀座 リュウ(ぎんざ りゅう)へ報告した同じく生徒会役員の庶務、ユキ。
「また、何かあったらすぐに言え。セキュリティを強くしないとな」
「はい」
生徒会長へ頭を下げ、生徒会室を去るユキ。
そんなユキのいた場所をじーっと見つめながら生徒会長はつぶやく。
「厄介なのが現れたな」
この学園のセキュリティはほぼ完璧なはずなのに、不審者か。
生徒会長は会長用の椅子に座り頬杖をつきながらも生徒会の仕事を再開した。
「もしもーし!」
『元気そうね』
今は夜。
夕飯もお風呂も終えて、1日1度家族に連絡するという約束があるのでお母さんと電話している。
『帰ってきたらみんなでまた焼肉行きましょう』
「やったあ焼肉! お母さん大好き!」
『なんて現金な子なのかしら。私はそんな娘に育てた覚えないわ』
「むう! あ、そうそうお母さん」
『なに?』
ふと思い出した、誠くんのこと。