囚われのお姫様
「ちょ、なにそれ?!」


結婚の約束?! あの誠くんと?!


『ふふ、まあ小さい頃のことだもの、忘れていてもおかしくないわよ』

「そ、それもそうだけど……」

『とにかく、夏休み無事に帰ってきなさいよ』

「う、うん」


お母さんとの電話はそこで終わってしまった。

まさか、結婚の約束をしていたとは。

こんなの、運命としか言えない!!

実は、夏休み誠くんと一緒に遊ぶ約束してるんだよね!

夏休み、楽しみだなあー!

埼玉県戸田市のごく普通の一軒家が私とお父さんとお母さんの家。

まあ、その家より寮で過ごすことの方が多かったから家って感じはしないけど…。

それでも私にとって安心できる場所。

それに近くにある焼肉屋さん、超美味しいんだよね!

あー、早く夏休みにならないかなあ!



この時はあんなことになるなんて思ってもみなくて、呑気に夏休みの計画を立ててたんだ。


< 36 / 53 >

この作品をシェア

pagetop