囚われのお姫様
舞姫、と聞いて少し興味を持った様子だったユキだけど、大悟の恋バナとわかるとすぐに興味をなくしたみたい。

背もたれに持たれ淡々と帰りの用意を始めてしまった。


「あれ?今日は生徒会ないのー?」

「ええ、最近会長が忙しいみたいで……」

「ふーん」


うちの学園は、各校ごとではなく日比谷学園でひとつの生徒会がある。

んで、生徒会長の銀座先輩って人は西校にいるらしく高等科に上がるときの入学式の時しかみたことがない。

が、めちゃくちゃ優秀らしく能力量は8で舞姫さんの次に強能力者、ご両親は政治家らしい。雲の上の上だ。

そして、イケメンさん!!

透き通るような銀髪にそこから除くキリッとした切れ目に見つめられたら我が校の女子たちは皆黄色い声を出す。

まあ、誠くんの方がかっこいいんですけどね!!

軽くユキと喋りながら寮へと向かい始める。

門を出たあたり、小さな十字路に差し掛かると。


ががーーん‼︎


大きなトラックが、猛スピードでこちらへ走ってきていた!

やば!!

ユキを抱えて私の能力で逃げようにも、間に合わない!!


ぎゅ



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