囚われのお姫様
「僕はもう、後悔しないって、後悔しないように行動しようって決めたんです!!」


力強く、まるで自分に言い聞かせるかのように叫ぶ多香音さん。


「綾瀬くん!! 彼を拘束してください!!」

「え、俺っち? 同じ綾でも綾瀬じゃなくて綾羅木だけどよ、まかされた!!」


大悟は自分の能力で自分の鼻の周りにだけ空気玉を作り水の中へ。

しばらくして拘束された誠くんと大悟がでてきた。

水が無くなった大悟の部屋は、物の見事に水浸しのぐちょぐちょだ。

部屋の真ん中に4人で座り、沈黙が流れる。

ハンマーを預かった多香音さんが、その沈黙を破った。


「すみません、お部屋を滅茶滅茶にしてしまい……」

「いいんすよ。あ、でも俺っち綾瀬じゃなくて綾羅木っすからね〜! 名前覚えてくださいっすよ〜!」

「……」

「た、多香音さん……?」


多香音さんは黙り込み悲しそうな表情をうかべる。

どうしてそんな顔するのかわからなくてつい声をかけてしまった。


「前言ってた、古い知人ってやつっすか? 綾瀬って」

「はい……」

「俺で良かったら話聞くっすよ!」

「……」
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