囚われのお姫様
──『大丈夫か、怪我はないか? ……これはいけない! 俺が近くの病院まで運ぶ!』


それでお姫様抱っこなんてされちゃって……きゃああああ素敵!!

そんな、ワクドキしながら曲がり角に差し掛かったが……。

……。

誰もいなかったああああ!!

けっ、そうですよね。現実はそんなに甘くありませんよね。

はあ……この先もう曲がり角ないし。

さささっと、周りを見渡す。

よし、”一般人” も 先生もいない。

”能力” 使っちゃえ!

私、ごく普通の高校1年生 広尾 美波 は ”超能力” が使えちゃうのだ!!

まあ、本来は学外での使用は禁止なんだけど……。

バレなきゃよし!!

私の能力は 空中疾走(エアーフライ)。

10mほど助走をつけて走ると、空中を普通に走るより2倍くらい速く走ることができるようになるんだ。

まあ、私は能力量3しかないから最大でも900mほどしか走ってられないんだけどね。

それ以上飛べるように、日比谷学園で日々訓練させられている。

そう、私が通う日比谷学園は0.1%の確率で産まれる超能力者たちが強制的に通わされる学園だ。
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