囚われのお姫様
よく見るキラキラ王子様スマイルじゃなくて、ちょっと頼りなくて不安げな感じだけど私はこの笑顔も、いやこの笑顔の方が好きだななんて思った。


しばらくして私たちは解散した。

そして、当初大悟と多香音さんだけで考えていた学園脱出計画は私と誠くんをいれ計4人で行うことに。

まあ誠くんはいつも外から来てるから正確に言うと協力者になるのかな。

最初は誠くんものすごく嫌がってたけど、代わりに不審者として先生たちに突き出さないという取引(というか一種の脅し)にて協力してもらうことに。

誠くんは学園の外のこととかくわしくて、元々私を連れ出すために学園中を調べてたみたい。


「じゃ、また明日の放課後集まろうぜ!」

「はい、放課後この部屋の前で待ち合わせにしましょう」

「おっけ!誠くんも、きてくれる?」

「美波ちゃんの頼みならもちろん」


そんな会話をしながら大悟の部屋を後にすると。


「広尾さん!」

「なんですか多香音さん」

「この事は、ユキさんにはどうか内密に」

「え、なんでですか」
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