囚われのお姫様
人数が多すぎるから、山奥のどデカい敷地の中で東校 西校 南校 北校 と別れている。

もっと場所を分散させればいいのに、なんて思う。

ま、どうでもいいんだけど。

私この学園嫌いなんだよね。

望んで能力者になったわけでもないのに小学校から無理矢理親元を離れさせられ、しまいには大学卒業後自衛隊に入らなきゃ行けないんだって。

絶対やだ!!

だから、いつか運命の王子様が迎えに来て攫ってくれないかななんて思ってるんだ。

ユキにはいい歳してバカみたいって言われるけど。

女の子だもん!こんな夢見たっていいじゃない!

もう一度当たりを見回し、走る速度を上げ能力を発動させる体制に入る。

あと少し、よし!いちにのさん!!

足が、地面ではなく空気の上に乗る。

空気を思いっきり蹴りどんどん学園に近づいていく。


「……!」


やっば、見られた。目が合った。

そこの電信柱の影に、人がいたのだ。

しかもあの顔……。

夢で見た、王子様そっくり!!

が、私が今飛んでいるのは地上2mほどのところ、つまりイケメンよりちょっと上。

てことは……パンツ見られた?!
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