星空の下
セミロングの黒髪。

化粧っ気のない顔。

白い肌。

長いまつ毛と大きな瞳。

その大きな瞳がメニューを見つめている。


楓は不良でも元ヤンでもない。

ただ、喧嘩がめちゃくちゃ強い。

楓も俺も喧嘩は好きではない。

ただ、危険を感じれば闘う。

闘うことで名が広がり、また喧嘩になる。

そんな繰り返しばかりをしていた中学時代の同級生がこの女だ。


「何にするの?」

瞳に俺が映る。

「ハンバーグ。……ってかさ、何か喋り方に違和感があるんだけど」

「違和感?どんなことかしら?」

「その“かしら”とか“〜だわ”とか?」

「……ああ、そっか。高校ではこういう喋り方だから」

ちょっと二面性があるのか?

「高校はどうなんだよ?」

「どうって?」
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