隣のホストくん
「簡単な取引テクニックだよ」
「取引テクニック!?」

ここでタネ明かし。

「簡単に説明すると、FBIとかが使ってたりね」
「FBIとかすげぇ~」

ここで一気に尊敬へとホストくんの気持ちを逆転させた。

これもテクニックなんだよね。

ホストくんは私を見下していたから。

こういうプライドの高い男って、ブランドネームに弱いんだよね。

エセ金持ちとかね。

本当に凄い人ってブランドとか気にもしないし。

アラフォーってだけで、人を見下すくらいだもん。

小物ってすぐバレる。

「そう。小さな要求を受け入れて大きな要求を受け入れさせる」
「たしかに。LINE見るとそんな会話だ」

昨日のINEのやり取りを見返している。

「以上」

そう言いながら玄関を指差した。

「なんだよ。それだけ?大体、その人差し指は何?」

ムッとしながら私を見た。

< 29 / 48 >

この作品をシェア

pagetop