隣のホストくん
「教えたんだからもう帰って」

こっちは家事もしなきゃだし。

何より仕事を探さなきゃ。

子持ちバツイチのアラフォーにもなると、なかなか就職先がない。

面接までこぎつけるのも一苦労なのに。

そんな時にホストくんなんてかまっていられない。

「それだけしか教えてくれないの?」

あきらかに不満そうに口をとがらせた。

「あたりまえでしょ?こっちは引っ越しの荷物も片づけなきゃんだし。」
「ええぇ~。今日も誰か呼んでよ」

他力本願は変わらないのか。

「自分で呼びなさいよ!!だいたい、ここはうち!!あなたの家はお隣でしょう?」
「壁1枚の違いじゃん」

なんて笑った。

「だから壁1枚向こうに帰って下さい。あなたのお家に」

ビシッと隣の家と隔たれている壁を指差した。

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