隣のホストくん
不動産屋さんからは何も聞いていないし。

前の住人は少し変わった人だったとは聞いたけど。

ドクン
ドクン

娘の震える声に冷たく動悸が背筋を凍らせる。

「だって……」

震える小さな手で差した指先で答えは出た。

慌ててドアに耳を傾けるけど。

声の元はここじゃない

ゆっくりと部屋の壁へとつたっていく。

「………の……の…」

徐々に声が聞こえてくる。

消えそうで悲しそうな…ん?

ここで聞くより行動した方が早い。

急いで玄関を出るとドンッドンッと力いっぱいホストくんの部屋の玄関を叩いた。

「ちょっと!!娘が怖がっているんですけど。今日も誰か呼んで…って何?」

本当に迷惑な隣人だ。

なんでこんな所に引っ越してきちゃったんだろう。
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