隣のホストくん
クスッと緩む口元は勝利を確信しているから。

「負けたら毎日、客を呼ぶ係」

あごを人差し指でトントンと叩きながら。

考えた罰ゲームが単純すぎるけど

これなら余裕。

まあ、負ける気もしないし。

「じゃあ、私が勝ったら二度と関わらないで」

それしかないでしょ。

「決まったな」

お互いの視線が合う。

目くばせで合意した。

「そういうわけで、もう子供に悪影響なことはしないで」

そう言うとクルッとお家に方向転換した背中に向かって

「今日も誰か呼んでよ」

投げかけられた言葉に殺気まじりで振り返った。

「それ罰ゲームでしょ?」

本当のバカって初めて見たわ。
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