隣のホストくん
呆れることは無い

怒ることはあっても

殺気に満ちた目で思いっきりホストくんをにらんだ。

「けちッ」

その言葉を聞き終える前には

バタンッと勢いよく家のドアを閉めた。

これで少しは常識持つかと思っていたのに

あれから一ヶ月。

当たり前かのように今日も朝食の食卓にバカがいる。

「あの、教育上よくないんですけど」

子供の前で怒りたくはない

それに、若い男が意味なく出入りしているって。

それだけじゃない。

なぜか朝になるとこのホストくん。

うちで寝ている。

鍵を毎晩かけ忘れるなんてことはないし。

他に出入り口なんてないし。

不思議なことは山ほどだけど。

今は目の前のホストくんをなんとかしなければ。

「イケメンが食卓にいるって最高だよな?」

なんて娘に聞いているし。

「うん。お酒臭いのはちょっと嫌だけど」
「仕事だから仕方ないだろ?」

なんて笑っているけど

なぜ娘と仲良くなっている?

これも作戦のうち?
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