隣のホストくん
恐怖の隣人の力が一瞬弱まった。

「違う!!」

そう言ったのは恐怖の隣人男。

理解不能な返答に、思わずドアを閉める手がゆるんでしまった。

バッ!!と開かれたドア。

恐怖に引きつる顔。

もうダメだ!!

覚悟を決めたのは一瞬。

目の前には20歳くらいのスーツ姿の若い男の子。

不審者とは程遠い外見。

もしかして、挨拶しようとしただけ?

そう思ってもおかしくないくらいのイケメンだ。

私が38歳でなければ。

結婚経験がなければ。

一目ぼれというモノをしてもおかしくないくらい。

って…

こういう普通の好青年ほど危ないのだ!!

玄関をこじ開けようとしたのがいい証拠。

我に返った瞬間。

もう一度、ドアを力いっぱい閉めようとした。
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