隣のホストくん
その手が止まったのはドサッと音がして、目の前の恐怖の隣人が視界から消えたからだ。

え!?

小さく驚いても周りを見渡すことは無かった。

足元に大きな黒い塊が視界に入ったからだ。

「頼む!!イベントまでお茶なんてマジで無理だ!!」

恐怖の隣人が倒れたわけではないことに少し安心したけど。

力強く土下座されても…。

それにイベント!?

お茶って…

もしかして怪しい販売?

きっとそうだ!この顔だもん。

危ない商売でも手を出してマダムとかから儲けてそうだわ。

で、今日はお茶のイベントってわけね。

納得だ。

こういう時は

「今日、引っ越してきたばかりでバタバタしているし…」

一番いい言いわけだ。

そんなドストライクを言われたら食いつくこともできないでしょ。

ご近所関係も保たれる。

「一瞬、店に入ってくれるだけでもいい!!」

まさか食いさがるつもり?

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