隣のホストくん
微笑みは絶やさない。

お隣さんだもん。

トラブルになんてなりたくないから。

それでも、心の中は引きつっている。

しゃがみ込むと、そっと男の顔をのぞき込んだ。

「ほら、娘もいるし。小学生でも夜のお留守番は一人だと危ないか…」

言い終わらせてくれなかった。

男が驚いたように顔を上げたからだ。

「え?いくつの時の子供?待って!!いくつだよ!!」

クリクリの目を見開きながら、部屋の中から恐る恐る男を見ている娘を見た。

「いくつって…」

私も驚くとかそんな感情はない。

だってよく間違えられるから。

見た目年齢20歳。

世間様が認める童顔ってヤツだ。

「手伝いの子供かと思ったじゃん!!」

不審者男は驚きを隠せない。

「そう。もう若くないから他の女の子を探してね」

そう言いながら玄関のドアを閉めようとした。


バンッ


強い力で閉めかけたドアを大きな手で留めた。

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