隣のホストくん
「年とか関係ないからさ」

不審者男のまっすぐに私の目を見る視線と目があった。

何とか保っていた微笑みはきっと引きつった顔に変わっている。

だから必然とドアノブを持つ手に力が入る。

それなのに不審者の視線から目がそらせない。

だって、不審者の目はまるで狼が獲物を見つけたよう。

それなのに、その瞳から出てくる視線はまっすぐすぎる。

目が合ったまま動けない。

「こう見えてアラフォーだし」

言葉だけは動いてくれる。

「同伴して欲しいだけだから」

不審者の言葉に脳内にピンッと光が走ったように今の状況の全てが一致した。

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