ワンルーム・ビターキス
『ごめんな、じゃあ』


「うん、ばいばい」




そう言ってスマホを耳から少し離した時だった。




『翠〜まだぁ〜?』




甘ったるい、女の人の声。




プツッ…ツーッ、ツーッ



そこで通話は途切れ、私は放心状態。




え、何…いまの。


女の人の声したよね?

翠の車の音もした。




一緒にどこかに行くの?2人で?




私は夜ご飯つくって待ってたのに…



そういう関係の女の人、翠にもいたんだ。



ズキズキと痛む胸。


気づいたばかりの気持ちをなくされるみたいで、彼女でもかいのに勝手に悲しくなってる自分がいた。




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