ワンルーム・ビターキス
空席は私の向かい側。


怖くない人だといいな…




「クスノキって言うんだけど、俺の高校の同級生なんぁ。同じ24歳の代。
高校時代とにかく外見チャラかったからクスノキをアレンジして “ クズ ” とか呼ばれてたな」




クズって、あんまりなあだ名だな…


かわいそうだけも、まあちょっとおもしろい。




「──誰がクズだって?タバタ」




突然背後から声がして、みんなの視線は一気に私の後ろへ。


そこにいたのは1人のスーツ姿の男の人だった。



この人が…クズ、じゃないや。クスノキさん。




「よう、クスノキ!」


「ようじゃねえ、テメエちょっとこっち来い」




席に着くと直ぐにカバンを置いて幹事の人を連れて少し離れていった。




怖…元ヤンか何か?


向かいに座るの怖いんだけど。



さっき怖い人じゃないといいとか言ったのが完全にフラグだったのか…?




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