ワンルーム・ビターキス
「お前手あっつ…まさか、うつった?」


「んぅ、冷たい」




急におでこに触れてきた翠の手は床と同じくらい冷たくてヒンヤリしてる。


あ、これ床より気持ちいいかも。




「はぁ…やっぱりか」




難しい顔をした翠は私から手を離す。




「ねぇ、やだ。もっと触って」





離れていった手を捕まえて頬に寄せる。




ふふ、ゲットしちゃった。


頬を擦り寄せるとやっぱり冷たくて気持ちいい。

ずっとこのままでいたいなぁ。




「…バカ、マジでお前…緋和、それ絶対他の男の前でやんなよ。二度と酒飲むな」




あ、お前って言ってから言い直した。

翠に緋和って呼ばれるの、好きなんだよね。





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