ワンルーム・ビターキス
「…どうして?」




あんなに不機嫌で話しかけるなオーラ全開だったのに。


私が困ってたの、気づいてくれたんだ。




「嫌そうだったから。違った?」




振り向いてそういうクスノキさんに私は首を横に降った。





なんだ、いい人じゃんか。


ただの怖くていかつい元ヤンだと思ってた、なんて言えないけど。




「お前さぁ、本当は何歳?未成年なんじゃないの」



ギクッ


そこまで見透かされてたなんて…




「じ、18歳です」


「へぇ、大一か。若いな」




いいえ高校3年生です。なんて。




まだ5月だから同級生で18歳になってる人は少ないし、自然な事だ。




「なんで歳盛ったの?どうしても年上彼氏欲しかったとか?」


「そんなふうに見えますか…?私はただ数合わせでミキさんに来てって頼まれて。相手社会人だから20歳ってことにしなって」



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