ワンルーム・ビターキス
「おいおい、なんだその噂」


「え〜、いろいろありますよ?先生には10人以上彼女がいるとか、女の人とデートしてた目撃情報とか、“ クズノキ ” って呼ばれてることとか!」




ペラペラと円香が言う話は私はひとつも知らなかった。


ていうか、この人がうちの学校にいたなんて…




合コンの時の、“ なんかどっかで見た事ある ” の正体は月9俳優ではなくてこれだったんだ。




「いやぁ、可愛いから声掛けただけだったんだけど。まさかJKでうちの学校の生徒だとは知らなかったな〜」




クスノキさんさニコニコと笑って私を見た。


その目の奥は絶対に笑ってない。確信できる。



お、怒ってらっしゃる…?




「し、知らない人に個人情報教えたりしないですから」




私は頭に乗っかる手をのけて目を逸らした。




まさか、こんな形で再会することになるなんて…




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