ワンルーム・ビターキス
「緋和」


「はい?」


「お前、今日の予定は?」




あ、いまナチュラルに名前で呼ばれた。


私はなんて呼べばいいのか未だに分かんないけど…




「なんも無いですよ。バイトも休みですし」




今日は土曜日。

学校に行くのは2日後だし、それまでに必要なものを揃えなきゃいけない。




制服のブラウスや靴下も燃えちゃったし、買わないと。


家事の日に着てたのはススがいっぱいついちゃったしもう着れないだろうな…




「買うものリスト作って準備できたら声掛けて。午前中には済ますぞ」




楠木さんは私が焼いておいたトーストを頬張りながらそう言った。


…なんだ、結局あったら全部食べるんじゃん。




家で食べるカップラーメン以外の食事がほんとに久しぶりなんだな。

ってのは見てればすぐ分かった。



今日の夕飯は好きな物作ってあげようかな。

料理は割と得意だし、色々のお礼もしたいからね。





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