ワンルーム・ビターキス
私がこの家に来た時、お母さんたちはなかなか子供ができず、不妊治療も上手くいってなかった。



そこで心がボロボロになって諦めかけたお母さんをお父さんは私がいる養護施設に連れてきた。



そこで出会ったまだ幼い私が、お母さんの小さい頃に似てたんだって。



娘ができたみたいだって、お母さんは泣いて喜んだ。



そして、私はこの相楽家の一員になった。






…けど、全てが上手くいく訳もなくて。


おばあちゃんは私を引き取ることに反対だったんだ。




おばあちゃんに初めてあった日から睨まれて、距離を置かれて、私はおばあちゃんが怖くなってしまって。


おばあちゃんの前ではいつもお母さんの背中に隠れて、小学校高学年になってからはおばあちゃんに会いに行くことすらなくなった。



今では会うのだって年に1度くらい。





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