ワンルーム・ビターキス
思っていた反応と正反対すぎて、今度は私が驚く番。





「ちょっと緋和、目が点になってるよ?マンガみたいなリアクションやめてよぉ〜」



「……あ、うん」





その発言は思い切りブーメランなんだけど、円香はちょっと抜けてるところがあるから気づいてないだろう。





「…で、どういうこと?やったじゃんって」



「えぇ、そのまんまの意味だよ?
男女が同居しててついにキス!!これはずばり物語終盤、ついに結ばれる時…
って何それ!!少女漫画かよ!!」




ボケたり突っ込んだり忙しいな。


何言ってるのかはさっぱり分からないけど…





「円香は少女漫画の読みすぎだよ…」





そんなに甘いものでは無い。



翠だってどうせなんとも思ってないし。





“ クズノキ ” なんて呼ばれちゃうくらいだし、女の人に不自由なんかしてないであろう翠のことだ。



やっぱりキスは挨拶…?




「好きでもない女にキスなんてしないでしょうよ。いくらクズって呼ばれてるあの人でも」




「好き…?ないでしょ、翠からしたら私なんかただのちんちくりんな子供だろうし。」




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