ワンルーム・ビターキス
…もし関係がバレたら、先生はクビになるのかな。



なんて考えるとちょっと怖くなる。




翠の家に住み着いていることがバレたりしたら翠の人生めちゃくちゃにしちゃうんだ。





「緋和?ちょっと。またひとりの世界入っちゃって!
大丈夫だよ。もし付き合ったとしても先生相手なら大人だし、うまくやってけるでしょ」




付き合う前提で話す円香に肩をポンとたたかれ、グーサインを向けられた。




ダメだ…会話が成り立つ気がしないよ。




「…とにかく、翠はそんなこと考えてないから」


「え、“ 翠は ” ってことは、緋和は好きなんだ?」


「え……?」




思いがけない一言に私はピタッと動きを止めた。





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