撃ち抜くならキスのあとで



そっと近付いて、背伸びをして。
彼の薄くて形のいい唇に触れた。



驚いたように目を見張る彼を見て、心が満たされる。

はじめて荻原くんが驚いた顔を見た。
いつも余裕な彼のその表情に、自然と頬が緩む。





「……あーあ、いいの?」




荻原くんが目を細めて、私の後頭部に手を回す。



そっと寄せられた顔、触れた唇。
舌で唇をなぞられて、その隙間から侵入してくる。




< 25 / 29 >

この作品をシェア

pagetop