異世界もふもふダンジョンごはん~クールな騎士に一途に愛されて、満腹ライフを堪能中~
「ようこそ、ダンジョンの上に建つ宿、エナガ亭へ! ダンジョン挑戦ですか? それともお泊まりですか?」
にこやかに入り口に入ってすぐのカウンターで帳簿から顔を上げて声を掛けたのは、十代後半の亜麻色の髪をチェック柄の三角巾でまとめた女性だ。彼女はそのヘーゼルの眼差しで、たった今入り口に入って来た相手を見て、ぼそりとつぶやく。
「オゥ……」
あきらかに殺気を放ち、あまりお金をかけていなさそうな不揃いの防具を身に着けたその集団は、どう見ても全うに仕事を求めてきた冒険者には見えなかった。
「おう、ねえちゃん。こんなところでずいぶん不用心に店を開いているんだなぁ」
「なんだったら俺たちが用心棒してやるぜ?」
「ダンジョンがあるなら、入場料も取ってんだろ? ずいぶん景気の良いこった」
「その入場料の半額でどうだ? 当然俺たちは無料で入らせてもらうがな」
何が楽しいのかそう言い放ったあと大きな声で笑いはじめた男達に、女性はしばし目を瞬ききっぱり告げた。
「用心棒は間に合ってます。入場はお一人銀貨八枚、パーティ割りで三人以上で入る場合はお一人銀貨六枚です。無理そうなら外の兎でも狩ってお金を稼いでくださいね。兎もうちで買い取り中ですよ」
にこにこと笑顔のままセールストークを繰り広げた女性を、今まで笑っていた男達が顔をしかめて睨みつけた。
にこやかに入り口に入ってすぐのカウンターで帳簿から顔を上げて声を掛けたのは、十代後半の亜麻色の髪をチェック柄の三角巾でまとめた女性だ。彼女はそのヘーゼルの眼差しで、たった今入り口に入って来た相手を見て、ぼそりとつぶやく。
「オゥ……」
あきらかに殺気を放ち、あまりお金をかけていなさそうな不揃いの防具を身に着けたその集団は、どう見ても全うに仕事を求めてきた冒険者には見えなかった。
「おう、ねえちゃん。こんなところでずいぶん不用心に店を開いているんだなぁ」
「なんだったら俺たちが用心棒してやるぜ?」
「ダンジョンがあるなら、入場料も取ってんだろ? ずいぶん景気の良いこった」
「その入場料の半額でどうだ? 当然俺たちは無料で入らせてもらうがな」
何が楽しいのかそう言い放ったあと大きな声で笑いはじめた男達に、女性はしばし目を瞬ききっぱり告げた。
「用心棒は間に合ってます。入場はお一人銀貨八枚、パーティ割りで三人以上で入る場合はお一人銀貨六枚です。無理そうなら外の兎でも狩ってお金を稼いでくださいね。兎もうちで買い取り中ですよ」
にこにこと笑顔のままセールストークを繰り広げた女性を、今まで笑っていた男達が顔をしかめて睨みつけた。