異世界もふもふダンジョンごはん~クールな騎士に一途に愛されて、満腹ライフを堪能中~
「……ねえちゃん。耳がいかれてんのか?」
「いえいえ。ちゃんと聞こえてますよ、だから用心棒はお断りします。入場料はしっかり払ってくださいね。お金がないなら兎を……」
「ああん?」
居丈高に男が女性を睨みつけながらカウンターへと歩み寄る。
「俺たちは別にねえちゃんの意見なんざ聞いてやしねえよ。俺が用心棒だって言ったら、もうここは俺たちの縄張りだっつってんだ」
男達の中心人物だろう、一番体の大きな男が女性を見下ろした。そして乱暴にカウンターの上に置かれていた花瓶を薙ぎ倒そうと筆を振る。
――しかし。
その行動で勝利したのは花瓶だった。花瓶はびくともせずに男の腕を受け止め跳ね返す。
「っ、いってぇぇぇぇ!!」
男達は、中心だった大男が突然腕を押さえて騒ぎはじめたためか、驚きそれぞれ武器に手をやった。
「何やったんだ!」
男のひとりが警戒して女性に叫ぶと、女性はにっこり笑ったまま花瓶に生けてある花を手に持った。
「こちらは何もしてませんよ。これも普通の花瓶ですし」
そう言って女性は、たった今男の腕を受け止めた花瓶を片手で持ち上げ、簡単に振った。
「ほら、普通に持ち上げられる、普通の花瓶ですよ」
「嘘吐け!」
男達が気勢を上げ、詰め寄ろうとしたその時、ようやくその場に奥からゆらりとひとり姿を現わした。
「いえいえ。ちゃんと聞こえてますよ、だから用心棒はお断りします。入場料はしっかり払ってくださいね。お金がないなら兎を……」
「ああん?」
居丈高に男が女性を睨みつけながらカウンターへと歩み寄る。
「俺たちは別にねえちゃんの意見なんざ聞いてやしねえよ。俺が用心棒だって言ったら、もうここは俺たちの縄張りだっつってんだ」
男達の中心人物だろう、一番体の大きな男が女性を見下ろした。そして乱暴にカウンターの上に置かれていた花瓶を薙ぎ倒そうと筆を振る。
――しかし。
その行動で勝利したのは花瓶だった。花瓶はびくともせずに男の腕を受け止め跳ね返す。
「っ、いってぇぇぇぇ!!」
男達は、中心だった大男が突然腕を押さえて騒ぎはじめたためか、驚きそれぞれ武器に手をやった。
「何やったんだ!」
男のひとりが警戒して女性に叫ぶと、女性はにっこり笑ったまま花瓶に生けてある花を手に持った。
「こちらは何もしてませんよ。これも普通の花瓶ですし」
そう言って女性は、たった今男の腕を受け止めた花瓶を片手で持ち上げ、簡単に振った。
「ほら、普通に持ち上げられる、普通の花瓶ですよ」
「嘘吐け!」
男達が気勢を上げ、詰め寄ろうとしたその時、ようやくその場に奥からゆらりとひとり姿を現わした。