異世界もふもふダンジョンごはん~クールな騎士に一途に愛されて、満腹ライフを堪能中~
「レオの方こそ、父さんの名前を出しながら、自分が剣を持って相手をしようとしていたじゃない。あれこそ危ないじゃないの」
「一応元騎士として、あの程度の集団なら制圧できる程度の腕は維持してる」
「手が傷ついたらどうするの。今のあなたはうちの料理長でしょ!」
二人がそうしてにらみ合っていると、つい先ほどまでびくりとも動かずに眠っていた籠の主が身を起こした。
『くぅ~……ん? どうしてレオがここにいるの?』
毛玉が伸びをし、籠の縁にぴょんと跳び上がる。
毛玉は、籠の縁に足をかけていても丸かった。その小さな丸に、つぶらな目。そして小さなくちばしが付いている。それは小さく丸い鳥だった。その丸い体よりも長くて黒い尾が特徴的で、白い体に黒い模様の翼が付いた、本鳥曰くシマエナガという種類の鳥らしい。
この世界にいないはずのその小鳥は、目覚めるとすぐに飛び上がり、いつもの定位置であるエリカの肩に止まった。
「おはよう、しーさん」
『おはよう、エリカ! もうすぐケントが帰ってくるよ! レオも、ごはん作らないとケント帰ってきたらすぐごはんだって言ってるよ!』
それを聞いた瞬間、エリカとレオはすぐさま立ち上がった。
「レオ! 今日の晩ご飯、仕込みは?」
「できてるよ。今日は羊肉の煮込みと串焼き。あとはライスと蒸し野菜とスープ。パンはもうそろそろ焼ける」
「父さん、お客様も連れてくるかしら。ちょっと客室の確認してくる!」
「分かった。受け付けは見ておくから」
「よろしく!」
つい先ほどまで、押し売り用心棒を相手にしていたと思えない勢いで、二人はそれぞれいつもの仕事をはじめていた。
その頭の中に、先ほどの用心棒の件は僅かにも残っていない。
「一応元騎士として、あの程度の集団なら制圧できる程度の腕は維持してる」
「手が傷ついたらどうするの。今のあなたはうちの料理長でしょ!」
二人がそうしてにらみ合っていると、つい先ほどまでびくりとも動かずに眠っていた籠の主が身を起こした。
『くぅ~……ん? どうしてレオがここにいるの?』
毛玉が伸びをし、籠の縁にぴょんと跳び上がる。
毛玉は、籠の縁に足をかけていても丸かった。その小さな丸に、つぶらな目。そして小さなくちばしが付いている。それは小さく丸い鳥だった。その丸い体よりも長くて黒い尾が特徴的で、白い体に黒い模様の翼が付いた、本鳥曰くシマエナガという種類の鳥らしい。
この世界にいないはずのその小鳥は、目覚めるとすぐに飛び上がり、いつもの定位置であるエリカの肩に止まった。
「おはよう、しーさん」
『おはよう、エリカ! もうすぐケントが帰ってくるよ! レオも、ごはん作らないとケント帰ってきたらすぐごはんだって言ってるよ!』
それを聞いた瞬間、エリカとレオはすぐさま立ち上がった。
「レオ! 今日の晩ご飯、仕込みは?」
「できてるよ。今日は羊肉の煮込みと串焼き。あとはライスと蒸し野菜とスープ。パンはもうそろそろ焼ける」
「父さん、お客様も連れてくるかしら。ちょっと客室の確認してくる!」
「分かった。受け付けは見ておくから」
「よろしく!」
つい先ほどまで、押し売り用心棒を相手にしていたと思えない勢いで、二人はそれぞれいつもの仕事をはじめていた。
その頭の中に、先ほどの用心棒の件は僅かにも残っていない。