無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎
□
「吉川と同じバイト先だったの、なんで言わなかった?」
それは李々斗が怒ると思ったから。
偶然とはいえ、李々斗の知らないところで吉川くんと仲良くしているのは、きっと不快にさせちゃうと思ったから。
前に李々斗と、吉川くんとあんまり仲良くしないって約束もしたからこそ、言い出しにくかったんだよ。
……だけど、これを正直に言ったところで李々斗は納得してくれるのかな。
頭のなかでたくさん思うことがあるのに、ひとつも声になってはくれない。ぐっと唇をかみ俯くと、はあ…とため息が聞こえた。
ため息…って、どうして?
胸のあたりにもやができる。
わたしが何もいわないから?
吉川くんと仲良くしてるから?
いつか話そうとは思っていた。
だけどどうしても、李々斗が嫌な気持ちになったらどうしようって考えて言い出せなかったんだ。