無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎





「…まあ、もういいや」

「…え、りり」

「やめろとか別に言わないし。吉川いいやつだもんな、優しいし。仲を深めるいい機会なんじゃね」

「え、なん…なんで急に…、りり、吉川くんのこと好きじゃないじゃん」

「俺はね。でも楓莉はちがうだろ」




嫌われたくないのに。
ただ、ずっと隣にいてほしいだけなのに。


李々斗のことを考えたゆえの隠し事は、そんなにダメなことだったのかな。




――もういいや、

その言葉が、ひどく冷たい言葉に聞こえる。まるで、「楓莉なんかもういらない」って言われてるみたいだ。


どうして怒るの。
わたしはどうしたらよかったの。





「……りりのことがわかんないよ」




わかんない。

───まだ、わかりたくない。




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