無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎
コンコンコン、とノックを3回して中に入ると、
「あれ、はやあがり?ラッキーだね」
わたしより数分早くあがったばかりの吉川くんが、エプロンのひもをほどきながら笑った。
店長さんのシフトの組み方の傾向として、同じ時間に2人をあげることがあまりなかったので、こうして吉川くんと休憩室で一緒になるのは初めてに近かった。
「今日は夜も暇そうだね」
「かも…。あと、16時半から佐藤さんが入ってるのもあると思う」
「30分は確かに、店長ひとりでも全然回せそう」
たくさんシフトに入っていることもあり、バイトにはもうすっかり慣れた。
店長さんと吉川くん以外のバイトの人とも挨拶を済ませていて、有難いことにみんなが優しくしてくれるので、バイトに来ることはとても楽しいと感じていた。
───…そう、バイトに来ること“は”楽しいのだ、とても。