無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎
「楓莉は、俺のことどう思ってんの」
「わたしは…、」
「俺のせいで泣いてんだろ。寂しいって、なんで?」
逆光で暗がりのなかにある、李々斗の光が灯った瞳に捕まる。
手首から脈拍が伝わって、どきどきしているのがバレバレだったらどうしようと、頭の片隅でそんなことを思った。
わたしは、李々斗のこと、どう思ってるんだろう。
勘違いされて悲しい。
離れている間は寂しかった。
どきどきして、時々すごく くるしくなる。
それがつまり何を表しているか────なんて。
「っ、やだ、わかんな───、っ」
「だめ、考えて」
わかんない、
そう言おうとしたわたしにかぶせてそう言われ、わたしは言葉を詰まらせた。
ぐっと距離を縮められ、綺麗な顔がすぐそこにある。どきどき、ばくばく、心臓がおかしくなりそうだ。
涙なんていつの間にか引っ込んでいて、ただ騒がしい心臓の音が、わたしの身体に響いている。