無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎
「考えて、考えて、…そんで俺のことで悩めばいい…って、思ってる」
そっと手首を離した李々斗。熱が触れていた部分を夕方の風が通り、つめたかった。
「楓莉が他の男と、…吉川と。仲良くしてんの見ると、焦る」
「……っ」
「俺は楓莉にとって多分、家族みたいに認識されてるから。普通に意識してもらいたくても無理だって、どこかで諦めてたから。だから、楓莉と新しく知り合えて仲良くできる吉川が羨ましかった」
「…りり、」
「俺にそんな権利ないって分かってたけど。……でも嫉妬した、吉川に」
李々斗が抱えていた気持ち。
ひとつひとつ言葉に起こされるそれが、わたしの中に落ちていく。
ねえ りり。わたし、知らなかったよ。……知ろうとしなかった。知りたくなかった。
わたしたちは幼なじみだけど、トクベツで、それから───…
「……好きだよ」
恋する可能性がある男と女、なんだってこと。