無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎
「ごめんね、りり君よ」
「…はー」
気の抜けた声で謝りながらネクタイから手を離すと、身体を離した李々斗がため息をついた。
真っ赤な顔と呆れた顔はなんだかミスマッチだ。
「つうか、楓莉が起こしてって言ったんだろ。まじで今起きないと遅刻するぞ」
「記憶にございません」
「ふざけんな。おまえと一緒に遅刻とか絶対やだ」
「つめたいなぁ…って、勝手に布団とらないでよへんたい!」
「どっちがだ!」
無理やり布団をはぎ取られ、冷えた部屋の空気が身体中にまとわりつく。
さむいよ、ひどいよ りり。
行動に愛がないよ、かわいい幼なじみをいたわる愛が。
とは言っても、すっかり目が覚めていることも、起きなければ遅刻することも事実だ。
しぶしぶながらに身体を起こしてぐーっと伸びをする。