無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎
……そういえば、すごい幸せな夢を見たような気がするんだけど…何だったかな。
李々斗が出てきたことは覚えているけれど、現実とは程遠いキャラだったせいかあまり思いだせない。
わたしが寝ぼけて李々斗のネクタイを引っ張って身体を密着させてしまったことも、もしかしたら夢の内容と関係していたのかもしれないけれど…うーん、どうなんだろう。
「ねえりり、夢にりりが出てきた」
「へえ。どんな?」
「思いだせないの。でもなんか、りりがすごい王子様みたいだったのはおぼえてる」
「なんだそりゃ」
李々斗は軽く笑うと、わたしの前髪をくしゃりと撫でて、「はやく着替えておりて来いよ」と言って部屋を出ていった。
その背中を見つめながら、彼の赤い顔をぼんやりと思いかえす。
クラスの女子がみたら、きっとギャップだなんだと騒ぎ立てるんだろうなぁ。
李々斗の家での様子なんて、知りたがっている女の子は山ほどいる。