無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎





近い、すべてにおいて近い。

わたしの顔の真横で李々斗が腕を立てている。
顔の距離は数センチだった。


李々斗の双眸が、わたしを見つめている。



「っ、り、りり」

「……」

「ご、ごめ、離れて……っ」




恥ずかしくてパッと視線を逸らす。

きっと顔だけじゃなくて、耳も首も真っ赤だ。男の子に耐性がないのが仇となった。ドキドキして死にそう。



離れて、

そう言ったわたしの声は震えていて、動揺しているのがバレバレだったとおもう。

目は合わせていないけれど、視線を感じる。何も言わず李々斗がわたしを見つめていることが、なんとなくわかる。




やだやだ、そんな見ないでよ恥ずかしいんだから。

はやく離れて、心臓にやさしい距離を。



< 160 / 258 >

この作品をシェア

pagetop