無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎
パタン。リビングのドアが閉まった。
唇に残った熱が、わたしの脳内を支配している。
あの瞬間を、唇が触れ合っていたあの数秒を思い出すたびに、李々斗の申し訳なさそうな顔がよぎる。
李々斗のバカ。人の話は最後まで聞かなきゃダメって習わなかったの。ごめんじゃないよ。
なかったことになんてできるわけないじゃんか。
――覚悟、しといてよ
李々斗が気持ちを伝えてくれた時、そう言ったから。
だからわたしも、もう逃げないで自分の気持ちに向き合おうって決めたんだよ。
「嬉しいって思っちゃったんだよ………、」
容赦なく唇から逃げていく──…なかったことにできない熱が、ひどく恋しかった。