無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎
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「成水くん、あの……昨日の楓莉どうでした?」
突然そんなことを言いだしたのは、フユちゃんよりはまだ、かろうじて正気を保っているはるちゃんだった。
李々斗も、「え?」と首をかしげている。
わたしも一瞬なんのことだろうと考えたけれど、すぐに「昨日化粧をしたわたし」のことを言っていると察した。
そうだった。
はるちゃんとフユちゃんのおかげで、「かわいい」って言ってもらえたよって、すぐにでもお礼を言おうと思っていたのに、昨日の夜はいろいろあったせいで連絡できなかったんだ。
「幸田、」と李々斗がはるちゃんを呼ぶ。
それから、わたしの頭に手を置いて、ぽんぽんと優しく叩いた。
李々斗のその仕草で、教室内が一気にざわついたのが分かった。