無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎
クラスの中にいる李々斗は、いつも気だるけで、あまり人と関わらない人だった。
もちろん、小さい時から知っているわたしからしてみれば、人見知りなうえに、女の子たちからの熱烈な視線も相まって、現在───1年生の秋に至るまで、特別仲の良い友達がいないだけではあるけれど。
わたしでさえ、幼馴染といえど学校じゃあまり話す機会はなかったし。
周りからの李々斗のイメージはクールで無気力なイケメン、だった───はずなのに。
「…昨日の楓莉の顔やってくれたの幸田たちなんでしょ。ありがと、…でも、やりすぎないで貰えると助かる」
「え」
「あんま、可愛いの見られると困るから」
頼むわ、
そう言って李々斗はわたしの頭から手を離し、何食わぬ顔で自分の席についた。
李々斗の耳がほんのり赤くなっていたのは───多分、わたししか知らない。