無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎
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「……先生、ホント日直の使い方荒い」
「不運だなぁ、りりは。日頃の行いが悪いんじゃ…っ、むぐ!」
「なんか言った?」
「いっへにゃいれすごめんなはい(言ってないですごめんなさい)」
ふたりきりの帰り道。
ちょっとだけ口が滑ったわたしの頬を潰した李々斗が、潰されたわたしの顔を見てクスクスと笑う。
いや、変な顔にしてるのは李々斗くん、あなただけどね。
「楓莉、これ着てな。寒いでしょ」
「うっ?」
頬から手を離した李々斗が、自分が来ていたカーディガンを脱いでバサッと上からかけてくれた。
同じ柔軟剤の香りに混ざって李々斗の匂いがする。