無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎
すっかり季節は冬に移り変わろうとしていて、最近では日が落ちるのが随分と早くなった。
ブレザーだけでは気温によって肌寒いと感じる日もしばしば。
冬が近づく夕方のこの時間は、風が少しだけ冷たかった。
何も言っていなかったのに気づいてくれるあたり、李々斗はいつだってわたしのことばっかりだ。
……そういうところにいちいちきゅんとしてしまうわたしもわたしかもしれないけど。
「ふふ。ありがと、りり」
「にやつかないで。怖い」
「怖いぃ!?かわいいの間違いでは!」
「ばぁか。あんま調子のんな」
こつん、と全然痛くないデコピンをされる。「ごめんね?」と謝ると、呆れたように笑ってくれた。
……あーあ、困った。
李々斗からもらう「ばぁか」も、
眉尻を下げて困ったように笑うところも、
頭の中がわたしのことばっかりなところも。
全部、全部、全部───……
「……好きで、困っちゃう」