無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎
「あ、ねえ、私も麦茶ほしい」
「自分でやって」
「ケチ」
「座る前に言ってくれたらいれてあげたかもな」
「ケチ!」
「2回言うな」
口をとがらせる楓莉。
拗ねたみたいに少しだけ睨んでくる挑発的な瞳に吸い込まれ、ほぼ無意識で楓莉の頬に手を伸ばしていた。
楓莉の柔らかな頬に触れる寸前、ハッと我に返り、「何その顔」と誤魔化すようにつぶやく。
楓莉が「幼馴染」だから普通だと思っている俺の仕草や行動は全部、楓莉をみていると衝動的に触れたくなってしまうことが原因だ。
同じ家に住んでいて、これまであまり知ることができなかった時間や、知らなかった姿を毎日見るのは、正直かなり、心臓に悪い。
ムニ、と頬をつまむと、「…ぬ、」と籠った声をこぼした。