無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎
「かわいくねー」
「むっ…」
「……ほっぺ、熱いね」
この熱が、風呂上がりの火照りのせいじゃなかったらいいのに。
柔らかい肌。ピンクのほっぺた。つぶらな瞳。
ホント、全部かわいくて、死ぬほど好きだ。
俺の気持ちなんか微塵も知らない楓莉の前で、俺だけがこんなに楓莉を好きでいる。
ふっと笑いをこぼすと、何笑ってるんだこのやろう、みたいなニュアンスを目で訴えられた。
間抜けな顔だって、こんなにも愛おしい。
俺の服を着ているだけで、すぐ手を出してしまいそうになる。一緒に暮らすのだって、一件うれしいことに思えるけれど、よく考えてみれば、片想いを拗らせてる俺にとってはつねに生殺し状態の地獄。
俺の頭の中、相当楓莉に侵されてるんだなって思ったら、なんだか笑えた。
なんて、この時の俺がそんなことを思っていたなんて、楓莉はきっとこの先も知ることはないけれど。