無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎
「……りりのことがわかんないよ」
俺も、俺がわかんないよ。
楓莉のことを独占したい。俺のものにしたい。楓莉のかわいいところ、本当は誰にも見せたくない。
俺がそうだったみたいに、同じくらい、楓莉の頭の中が俺のことでいっぱいになればいいのにって、心から望んでいる。
「楓莉はトクベツだよ」
トクベツなんだ、本当に。
楓莉だけが、ずっと、トクベツな女の子だった。
なのに、一番肝心なことを言葉にできないまま、また、拗らせた。
「……妹みたいな感じ、なんだと思う」
そんなわけないのに。
妹なんて、思ったことないくせに。
めんどくさくてわがままなのは、ずっと俺のほうだ。
その時、俺はいったいどんな顔をしていたのか。
楓莉の寂しそうな、泣き出しそうな瞳が脳裏に焼き付いて離れなかった。