無気力な幼なじみと同居したら、予想外の溺愛がはじまりました❤︎
どう接していいかわからなくて、いったん頭を冷やそうと部屋にこもった。
そのうち母さんが帰って来て、ごはんを食べていないことに気づいて軽食をもって部屋を訪れた。
「後悔したって、やっちゃったことはどうしようもないでしょう」
落ち込んでいるのがわかりやすく態度にでてしまっていたのか、はたまた母さんの観察能力が高いのか。
答えは両者。
母さんにそう言われて、俺は返す言葉がなかった。
「李々斗。あんたはちょっと、楓莉ちゃんのこと大事にしようとしすぎなのよ」
「……はあ?」
「恋ってのは、ちょっとの乱暴さも大事なの。傷つけないように、壊さないようにって、慎重になりすぎたって何も進まないんだから」
「……なんだよ急に」
「急じゃないでしょう。何年あなたたちのこと見て来たと思ってるのよ、まったく……」
呆れたようにため息をつかれ、俺はぐっと口を噤んだ。